外反母趾とは無縁。江戸時代の人が健脚だった理由

[2020年08月10日(月)] カテゴリ: 外反母趾外反母趾と歩行

現代は交通網が発達し便利になりました。

現在はどこかへ遠方、近郊に行くなら電車、自動車、飛行機などを使えば

簡単にどこへでも短時間で行くことができます。

しかし江戸時代は交通網が発達しておらず飛脚が人や便り・信書など運搬し各地へ届けていました。

今回は「外反母趾とは無縁。江戸時代の人が健脚だった理由」をお伝えします。

どうしてそんな長距離を歩くことができたのかに迫ります。

 

江戸時代の人が歩くことの目的

現在は健康のために歩行することが目的になっています。

歩行して健康になることはすでに江戸時代の医学者によって提唱されていたといわれます。

しかし江戸時代の歩行は健康目的ではなく「移動」手段のためのものだった。

交通網がほぼ発達していない江戸時代では人間の足を使い移動することが当たり前でした。

 

江戸時代のデリバリー仕事をした「飛脚」とは

 

 (リンク画像元)DNA

江戸時代に親書や文書など書類や、金銭や貨物を運ぶ仕事に従事した人のことまたその業者を指します。

簡単にいえば、現在の郵便局と宅配業者、そしてその局員やドライバーのことを指しているということですね。

 

飛脚はさらに姿勢もよかったという説も

 飛脚は信書や為替など運搬するときは文箱を棒にくくりつけそれを肩に担いでいます。

この運搬方法は手持ち荷物を負担なく持ち運びする以外に、

早く移動することができて、背筋もピンと伸びた状態で姿勢も良かったといわれています。

 

飛躍の履き物はどんなものだったのか

 

(リンク画像元) 竹虎

飛脚は遠距離をデリバリーする仕事ですが、足元はワラジか裸足といわれています。

わらじでも足半(あしなか)と言われる指上部までの履き物でした。

ほぼ素足の状態で運搬をしていたのでケガなどのトラブルに見舞われそうですが、

当時の地面はアスファルトではなく土で足裏への吸収もかなり良く、

さらに足も丈夫だったと思われます。

 

 飛躍の仕事で歩く・走る距離は半端ない

(リンク画像元)DNA

当時飛脚の移動は「歩く」より「走る」ことがメインとなっていると思います。

飛脚のデリバリー記録に残されたものによると、

江戸から京都の片道約492kmを片道約5日で行ったいわれ、

平均すると1日約100km制覇したことになります。

今そのスピードで靴を履き歩きアスファルトの道を移動しようと試みても、

足の皮がむけたり、足の筋肉がこわばってしまいキーンとなり

動けず挫折しがちになると思います。

いかに昔の人々が移動距離が長くても歩いて足が健脚であったかがわかります。

 

一般庶民も約40キロは旅で歩いた

(リンク画像元)Japaaan

江戸時代後半になると、1800年頃に一般庶民でも伊勢神宮へ参拝するという

旅行ブームが起こりました。

ブームになった発端は「不治の病が治った」「店が繁盛した」など

伊勢神宮に参拝することで幸せになったいう話が広まりました。

観光ではなく幸せを願い信じて伊勢を目指す人が多かったということです。

この幸せの願掛けのため伊勢神宮の参拝を集団で行った行為をお蔭参りともいわれました。

身分は関係なく、着の身着のままで伊勢に行く一般人の歩く手段は歩行のみでした。

普通に彼らはその参拝のために1日約30~40㎞も歩いたと言われています。

 

では1日40キロ歩行を可能にしたのは何か。

五街道(東海道・中山道・日光街道・甲州道中・奥州道中)を作り、

街道筋の所々の分岐点になる「道標」も置き、

宿場も普及した影響も大きかったのではないかと思います。

宿場間の距離間は目的地までそう遠くなったようです。

宿場は旅人が宿屋に泊まったり、休んだりする役割、そして飛脚役割として

隣の宿場から運ばれてきた公用の荷物や通信物を、次の宿場まで運ぶという業務がありました。

極端に遠い宿場や途中に難所が無い限りは、江戸時代の人達と比べて足腰の弱い現代人であっても余裕で辿り着けそうな距離でした。

ちなみに庶民は移動するには草履を履くより普通に裸足で歩いていたようです。

その影響で足に負担がないよう無意識のうちに足を守るための歩き方身に着け

健脚に至ったと思われます。

 

今回は「外反母趾とは無縁。江戸時代の人が健脚だった理由」をお伝えしました。

現在はアスファルトの道を歩くときは靴を履いて歩行を行っています。

素足、草履・下駄・わらじなどの履き物を履きアスファルトの道を歩くには適しません。

現代では歩くことで健康になるという目的も、江戸時代の人は歩くことが生活移動になっているので

無意識のうちに健康という概念もなく、外反母趾になるということは

生まれなかったということですね。

 

通院回数目安
地域別来院割合詳細データ
茨木市23%
高槻市11%
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福井県1%
石川県1%